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chomoshのブログ

だいたいゲームのこと。

『ゴースト・イン・ザ・シェル』観たよ

ちょもすです。

 

いやー観てしまいました。『ゴースト・イン・ザ・シェル』。渋谷の駅構内で異常に押されているたけしの荒巻ヘッドを見るたびに「うわ~観たくねえ~……」と思っていた本作品ですが、ちょっと映画館に寄ったら都合よく10分後に上映の会の席が空いてしまっていました。

 

「観てない/やっていない奴は批判するな」のオタクルールの原則に乗る上でも観る必要は感じていたので、勇気を出して鑑賞しました。以下オタクの見苦しい感情がモロだしになるのでネタバレを含みます。

 

アニメ攻殻好き

 

僕アニメの攻殻機動隊好きなんですよ。SACも2ndGIGも通しで3回くらい見たし、バトーのボクシングの回とかサイトーの昔話の回みたいな好きな回はそれ以上に見ています。今回の劇場版を「観たくない観たくない……」と思いながらも、直近で復習もするくらいには押井守の攻殻機動隊が好きです。

 

かといって攻殻機動隊オタクかって言われたら別にそういうつもりはなくて、出典ありきの細かい部分なんかは正直よくわからずに観てるし、漫画原作もうーんって感じだし、それでも彼らがかっこいいから、彼らに憧れるから、考えさせられるから、攻殻機動隊が好きなんですね。

 

さて、結論から言うと、今の二行に少しでも共感してしまった人は映画をバカにする以外の目的で『ゴースト・イン・ザ・シェル』を観ない方が良いと思います。もうがっかりするから。マジで。

 

 

そりゃあね。期待してなかったですよ。ひたすら難しい話を捲くし立ててくる原作を2時間やそこらで表現できるとは到底思えなかったし、だからこそ「原作とここが違う!!!ムキー!!!」みたいなキレ方だけは避けようと思いながら観てた。マンガがアニメ化されたり、アニメが映画化されたりするたびに発狂する原作厨を見ては「余裕のねえオタク多すぎワロタ。そんなんじゃMoAで50万は獲れねえよ」と思ってたからそうならないように努めていたんですよ。

 

いやでもねー無理だよ。なんというか、この作品が『ゴースト・イン・ザ・シェル』である必要性を全く感じなかった。義体の女性が素子である必要もないし、目ん玉が機械化しているあいつもバトーである必要もない。『ゴースト・イン・ザ・シェル』を名乗るにしたって、全く別の主人公で、名前こそ同じにする必要があっても、全く別の性質のキャラクターだっていいわけですよ。

 

それなのに中途半端にトグサは気取ったチャイニーズだし、あれだけかっこいい悪役だったクゼがただの安っぽいハッカーになってるし、バトーは素子と同行してる最中に犬にエサをやる。いやいや、バトーが犬に餌をやることはあっても、素子の前で恥ずかしげもなく犬に餌をやるのはバトーじゃないと思うんですよ。ただ名前を借りているだけならまだしも、中途半端に間違ったキャラクター論を押し付けてくる。もうきつい。

 

サイトーなんか劇中ほとんど描写がないのに狙撃のときだけでてきて戦車をぶっ飛ばすもんだから、「おい原作厨、サイトーが狙撃で大活躍や!こういうのが好きなんだろ?w」というルパート・サンダースのドヤ顔が透けて見えてくる。

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ルパート・サンダース - Wikipedia

 

素子が戦車を素手で破壊するゴリラ演出もそうだし、クゼにハッキングされたパンピーをボコボコにするゴリラ演出もそう。違うでしょ。素子が「そいつをよこせー」ってなったのはトグサがめちゃくちゃにされた経緯があったからで、見境なくそのへんの奴をボコボコに殴ってる素子はもう素子じゃないじゃん。キング・コングだよ。というかこのルパート・サンダースなる人物、絶対オタクじゃねえし原作もそんな好きじゃねえだろ。Wikipediaにも不倫の情報しか書いてねえし。なんなんだよこいつは。

 

いやね、色々あると思うよ。作りたくもない映画を作らされることもあると思うし、オタク向けの映画なんて全く興味ないけど仕事と成り行きで作る必要があることもあると思うよ。でもそこはやっぱうまく隠してほしいところだよな。これどこぞの大会の時も言ったけど。仕事でオタクを取り扱ううえでオタクをバカにするのは全然いいと思うけど、その気持ちを隠しきれてない奴この世に多すぎるよ。それくらいはプロとしてやって欲しいと思うのは高望みなのかなあ。

 

特にクゼは本当にひどかった。クゼってそんなに好きなキャラじゃないんだけど、原作のクゼに対して「かわいそう」という感情が芽生えてしまった。僕がこの映画を自分の中で擁護しながらなんとか観てたわけだけど、素子が多脚戦車にぶっ飛ばされた時に身動きの取れないクゼがなんていったか覚えてる?「オーゥ」だよ。「オーゥ」。さすがに笑顔になっちゃったよ。ああこの映画だめなんだって。素子とクゼの安いっぽいラブストーリーにするのは映画という性質上仕方ないと思うよ。でも、素子を吹っ飛ばされているのを見たクゼが「オーゥ」って言ったらそれはもうクゼじゃないででしょ。ノリのいい黒人キャラクターじゃねえんだからさ。原作であれだけの気骨を持って正義感の強い男が素子吹っ飛ばされて「オーゥ」は絶対言わねえじゃん。

 

他にもすげえところはたくさんあるんだよ。クゼがハッキングしたどうみても裕福でないパンピーが光学迷彩使ってたり、素子の墓の素子の名前の下に「命」って書いてあってゴルゴ松本かなって思うし、荒巻はめちゃくちゃ武闘派だし、もうとにかく書ききれないほどすごいんだよ。すごいんだけど、俺は結構我慢して見てたと思うよ。でもクゼの「オーゥ」だけはだめだった。いや無理だよ。それはさすがに無理。通らねえ。メイドリーダー3枚出されてるのに「9ターン目にアルベールはこねえ」くらいの無理さがある。

 

別に原作をそのまま再現しろとは微塵も思わない。でも妙なサービス心を出すくらいならちゃんと原作をリスペクトするか、全く新しいものにしてほしいと思うのは原作厨のわがままなんだろうか。こういうテイストで新たに攻殻の世界に触れた人にバカ売れならもう土下座するしかないけど、ネットの評判見る限りではそういうわけでもなさそうだしなあ。

 

公平を帰すためによかったところも書こう。まずたけしは想像の10倍くらい荒巻だった。滑舌は悪いし演技だってあってないようなものだけど、それでも荒巻というキャラクターを理解した上でやってくれていたと思う。銃を乱射するのは荒巻じゃないと思うけど、それはたけしの責任じゃないしなあ。

 

電脳世界のようなものや義体が映像化されたのもよかった。いやまあ潮干狩りのような浅い監督だと僕は感じたので、実写化したらこうなるんですよと言われても「???」ではあるんだけど、それでも現実に近づいてきたことに対して「おおー……?」みたいな感情はあった。素子の顔がポロっとクゼに取られたのは目を瞑ろう。そこではない。映像自体はそれなりにすごかったと思うよ。

 

もっとも、それを持って有り余るほどの「オーゥ」があったので、原作好きな人には全くおすすめできませんが、話自体はこれでもかというほどわかりやすいので、原作を知らない人が観ればSF映画としては面白いのかもしれません。そういう人の感想をお待ちしております。

 

 久々に映画の話でした。

 

 それじゃあまた。