chomoshのブログ

だいたいゲームのこと。

GP静岡に遊びにいきました

ちょもすです。GP静岡に行ってきました。

 

『グランプリ・静岡2017秋』

 

グランプリってなんぞやっていう人に念のため説明しておくと、マジック・ザ・ギャザリングっていう太古のカードゲームが定期的に開く公式の大会です。といっても強い奴しかいないガチガチの奴じゃなくて、僕みたいなパンピーでも出れて二日間でその時つえーやつを決める、比較的カジュアルめな大会です。

 

なぜ

そもそもなんで僕が行くことになったかというと、半年くらい前にこの大会に出ようって話を普段LoLを一緒に遊んでる奴としていて、今回は3人チーム戦だから3人必要で、その界隈でMTGのルールがわかる奴が数人しかいないから、必然的に僕が借り出されることになったんですよね。ある時参加費が13000円ってわかってちょっと「えー」ってなったけど、人数的に僕が出れば3人だし、一人は大阪から来るからオフ会と観光も兼ねられるし、グランプリの様子をしっかり見たこともないから経験として行ってみようみたいなマインドで臨みました。

 

いや、すごい前に決まったことだったから、ウォーブレの大会の前の週だとかは思いもしてなかったんですよ。そもそもウォーブレの抽選受かるかもわからなかったしさ。だから結果的に最近毎週末違うカードゲームの大会に出る節操のないオタクみたいになっちゃってるんですけど、色々と偶然が重なってこうなってしまっていることをいい訳しておきます。

 

ちなみに、今回静岡に行く旨をTwitterで全く書かなかったり、会場でも犯罪者のようにコソコソと立ち回っていたのは、タキニキあたりの人に見つかろうものなら「おいおいおいおいおいおいおいおい」と旧世紀のチンピラばりにマウントを取られそうだったからです。マジックおじさんは怖い。

 

どうした

結果的には2-4で即死しました。そもそも普段は家帰ってきてLoLで遊ぶチームだし、マジックなんか滅多にやらないチームだから当たり前ですね。

 

今回の大会はシールド戦って言って、複数のパックを空けたの中から即席で3人分のデッキを組んで戦うレギュレーションだったんだけれど、これがもうすげー難しかった。やってるうちにデッキの問題点を見つけるのってそこまで難しくないけど、やる前からデッキの問題点を見つけるのってすごい特殊な技能だよね。その技能を評価する大会っていうのが最近僕が忘れていた視点というか、インターネットで最強プレイヤーの自己顕示欲から生まれるデッキ画像を最速でコピーして回して俺TUEEEする日常と離れた世界だな、と思った。いや、どっちがいいとかじゃないよ。なんならどっちも悪いと僕は思うんだけど、僕の見てるカードゲームの日常と離れた世界だな、と思った。

 

どうだった

ここは書きたいことがとてもたくさんあるので、いいところ編とわるいところ編に分ける。

 

いいところ編

まずGP静岡に参加してよかったから書いてみよう。一番はじめにすごいなと思ったところは、対戦相手のバリエーションがとんでもなく多いというところ。

 

僕が対戦しただけでも、

 

女装していて萌え系のスリーブにデッキが入っていて、赤白の恐竜でめちゃくちゃアグロしてくる人。

外国人の人で、人質取りを出して「このファッキンボム(ボムとは強いカードのことを指す)やばすぎw」みたいなことを隣のチームメイトと英語で話してる人。

スリーブに入れないでプレイしてるからかカードの横に傷がついてて「これアリなんだろうか……」と思わず僕が思ってしまう人。

 

いやもうね。すごいよ。ゲーム以外の情報量が、あまりにも多いんだよ。デジタルカードゲームをやってるとせいぜい相手が小気味良くエモーションを打ってくるくらいだけど、その人が女装なのか外人なのかスリーブ無しでやってるのかはわからないわけじゃん。インターネットで済んでしまうランクマッチは対戦に必要ない情報はほとんど開示されないけれど、それがわかってしまうのって、一周回ってすごいことだなと思った。

 

それでさ、普段だったら絶対関わらないだろうなってそういう人達と、楽しくゲームができちゃうんだよ。「このファッキンボムやばすぎw」みたいなこと言ってた外国人の人に対して「何がファッキンボムじゃこのクソ外国人が、このカード強すぎだろいい加減にしろよマジで」って僕は内心思ってたんだけど、対戦が終了したら急に日本語でペラペラ話しかけてくるわけ。

 

「日本語喋れるんですか!?」って数字を英語で喋ってたのめっちゃバカらしいなと思いながら聞いたら「隣の二人は日本語喋れないんですけど、相手の人が全員外国人だと思って情報を喋ったりするから日本語喋れないフリをしててほしいって言われた」って言ってて思わず笑ってしまった。その戦略についてじゃないよ。そういう状況がカードゲームをやってて起こるんだな、ってところに笑っちゃった。そんな状況になる大会に出たことがなかったから。ああ世界は広いなって思っちゃったよ。

 

そのファッキンボム外国人3人組も悪意があるっていうよりは、凄い楽しそうにプレイしてるんだよね。均衡してる盤面で僕の隣が6マナ寝かすと両腕を上げて「オウ!シット!」とか言い出すし、二日目にたまたまその外国人の一人を見かけた時は、剥いたパックのレアカードをサイコロのダイス目で取るか取らざるやを決めて盛り上がってる日本人三人組を見ながら終止ニヤニヤしてた。

 

GP静岡に出ていなかったら、あんなリアクションの面白い外国人とコミュニケーションを取らないまま人生を終えてしまったかもしれないけれど、出たことによってコミュニケーションを取ることができた。別にそれ自体が何かの得になるわけじゃないけど、それ自体がすごく面白いことだと思うんだよね。1990~2000年代の普遍的な価値観だった“たかがゲーム”が、外国人との架け橋になってるわけじゃん。

 

あとね、一日目終わった後の静岡駅周辺の居酒屋とか飯屋の回りを歩いていて思ったけど、三人組のカードゲームオタクがめっちゃいるんだよ。マジで。どの店に入っても三人組のカードゲームオタクいるから。町起こしだよあれ。経済効果がすげえなと思った。

 

複数のタクシーの運転手さんに話を聞いても「カードゲームの大会でしょ?もうツインメッセ20回転してるよ」とか、「数週間前にもカードゲームの大会(=日本選手権)あったよね?外国人も来るしすごいねえ、トランプとか花札みたいなもん?」って聞かれるからすごい。

 

紙のカードゲームの大会を見たことは何度もあるけれど、世界規模な紙のカードゲームの大会ってあんまり見たことがなかったから、何もかも新鮮だった。とにかく色んな人を巻き込んでいるし、色んな人に関わることになる。昔のバイト先の上司はフィーチャーされてるし、なんなら僕がサイドイベントの賞品をもらってウキウキしているところをしっかり見られるし、新幹線にはレジェンダリーな人々が同じ号車に乗ってるし……。とにかく色んなことが起こって刺激的だった。マジックの歴史の成せる技なんだろうなあ。

 

わるいところ編

逆に、あんまり楽しくないなあと感じることもあった。

 

例えば二日目のサイドイベントで当たった対戦相手なんかは、土地一枚でキープしてそのまま土地を引かずに僕に印鑑をハンデスされて負ければ「呪われてる」って捨て台詞を僕に吐き捨てて言ったし、そいつの隣は紙をほとんど遊ばない僕の隣のどうでもいいルールの省略をおおげさに指摘してきたりする。サイドイベント0-2のクソ雑魚チーム同士の対戦なのに、相手にキレたりどうでもいい細かいルールを指摘してくるのはかなりアレだと思ってしまった。

 

どっちも同じ空き缶拾いなんだから仲良くやろうよと思うのは甘えなんでしょうか。ゲーム的にはそっちのほうが正しいから僕が間違ってるんだけど、ストイックだなあ、と。

 

僕がよく見るグランプリのニコ生とかTwitterを見ていて抱くグランプリのイメージは“初参加でもそれなりに楽しめる”ものだと思っていたんだけど、現実のグランプリはかなり競技的だな、と今回参加して感じた。特に発売直後のチームシールドなんてお祭りみたいなもんだろと思って参加した僕の認識は大きく間違っていて、想像以上に参加者が真剣で、ルールに厳格で、タイトでストイックなイベントだった。特に休憩の時間もないので、自分の試合が長くなれば数時間集中しっぱなしを求められることもある。

 

僕の認識が甘かったの重々承知なんだけれど、お祭りごとや一つのイベントとしてグランプリを捉えて、13000円の参加費でこのストイックさはどうしても他のエンターテイメントと比べてしまいたくなる。そのへんの「マジックに興味が出てきたしグランプリに参加してみようかな……」と思っているオタクには、「好きな声優のライブイベントに行け」と自信を持って言えるくらいには、エンターテイメントでない。参加費に見合った価値のないイベントだなんていうつもりはないけれど、あくまで滝にうたれて喜ぶ修行僧にとって価値のあるイベントだと思う。

 

大前提として、大会は無いよりある方がいいと思う。どんなに高い参加費を取ろうが、どんなにイマイチな体験になろうが、どんなゲームのプレイヤーにとっても大会は無いよりあったほうがいい。大会が無いゲームよりあるゲームの方がいいことは本当に痛感している。しているんだけど……。

 

こうしてグランプリに出てみるとより、前回のRAGEがいかにすごいイベントであったかを思い知らされるね。僕もサイゲ工作員とか書かれたくないのでこれ以上シャドウバースのことを褒めたくないんだけれど。

 

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……高額な参加費を取られるといちいち物を申したくなっちゃうのもよくないね。ある程度なら「スタッフもたくさんいるし、色々もらえるし、会場もいいところだし、頑張ってくれよな」って気持ちよくお金を払える。

 

でも、どう計算しても割高の参加費13000円を取っておいて参加者全員記入の同意書の例に「今日の日付である9/29を書いてください」って書いてあって自分のスマホを見ると9/30だったりすると、ちょっとルール間違えるとすぐ警告するくせにいい加減だなあと思うし、フリースナックを用意しておりますって書いてあって大量のうまい棒が置いてあったりすると、ハッパロイドにナチュラルフルーツを食わせる前に僕にまともなスナックを食わせろと言いたくなる。

 

とにかく高い。高いね。それに尽きる。

 

まとめ

競技的にMTGをやろうとすると急にハードルが上がることを痛感したので、知り合いに誘われた時だけ遊ぶぬるプレイで今後もしばらくはつき合っていこうと思いました。いつかがっつり時間が出来たら戦ってみたい気もするけれど、今年と来年の戦場はデジタルになりそうです。

 

 

 

それじゃあまた。