chomoshのブログ

だいたいゲームのこと。

うつ病九段を読んだ

ちょもすです。

 

 

 読んだ。かなりシビれる内容だった。このブログの想定読者の5割くらいには刺さると思うのでおすすめしたい。

 

私は六歳で将棋を覚え、九歳でこの世界に入った。十七歳でプロになって三十年。だらしなくて常識がない私は、自分は将棋が強いんだという自信だけで世の中を生きてきたのである。勝ち負けとか金とか以前に、将棋が強いという自信は自分の人生のすべてだった。その将棋が弱くなる。

考えられなかった。それだけは絶対に許せなかった。

 

48歳プロ棋士、あまりにもかっこいい。うつ病九段という情けないタイトルからの、このかっこよさ。

 

うつ病を患った話なので基本的には情けなかったり格好悪い話が続くんだけれど、たまに出てくる取り繕わない棋士の一面が現れたときに、異常なかっこよさを感じて、先崎九段のことが好きになる。

 

思うに僕の中で「かっこいい」と「プロ」は結びついてる。もし何らかのプロになりたいと自分が思うなら、かっこよくあるべし、と思う。今のところ僕が何のプロなのかと言われるとよくわからないけど。無職のプロ?

 

私がはじめに手にとったのは九手詰から十三手詰の詰将棋が百問入った問題集だった。どんなレベルかというと、以前の私なら三十分で全問解く本である。ところが。

全然詰まなかった。はじめの一問がまず解けないのだ。十分も考えると頭が痛くなってしまう。私は私自身が信じられなかった。

 

そして心の中でどこか「甘え」なんじゃないかと思ってしまううつ病について、将棋のパラメータという形で状態を表されるとすごく納得がいく。先崎九段が七手詰めを解けない。そりゃあ病気だとしかいいようがない。格ゲーで言ったらウメハラがVトリコンできないとかそういう話である。そりゃあ病気だとしかいいようがない。

 

プロ棋士のかっこよさ。うつ病の重大さ。どちらも切実に自分に迫ってきて、大変読み応えのある本でした。

 

 

 

それじゃあまた。