僕たちは回数ゲーと向き合わなければいけない
ちょもすです。最近は放置してたグラブルを満喫しすぎてTwitterすらあまり呟かなくなってしまいましたが、これを書いている今はメンテナンス中なので暇で仕方がありません。ということで、最近ちょっと考えていたことを書いてみようと思います。
と、その前に全然関係ありませんが、地獄の平田軍団総帥のHさんからのタレコミによって、前々回の僕のペルソナ記事によってPS4とP5を騙されて買った人がいるらしいことが判明しました。本当に僕の思ったままのことを書いたのがあれで、騙す気はまったくないんですが、どうやら勢いで買ってみたはいいものの全く面白くなかったらしく、結果ちょもすに騙されたみたいな形になってしまったことがいる人については本当に申し訳なく思っております。が、なにとぞそこは自己責任でお願いします。本当にいいゲームなんですけどね。ぜひやってほしいんですけどね。
そして、PS4とP5の売り上げに貢献したことはこのことから明確なので、アトラスとソニーからの謝礼的な何かをお待ちしております。仕事とかください。
今回は対戦ゲームのランキングと、それの基となる勝率と回数の話です。
勝率×回数=ランキング
僕のやってきた対戦型カードゲームにおいて定義される全国(世界)ランキングというのは、勝率と回数の掛け算で決まるものがほとんどでした。コードオブジョーカー(以下CoJ)もそうだし、シャドウバースもそうだし、ハースストーンもそうです。なんなら三国志大戦もそうだし、他のジャンルに目を向けてもそのランキングシステムのほとんどが、勝率と回数の掛け算から成り立っています。
ただし、その中にもそれぞれのゲームで違いがありました。それは勝率に重きが置かれるゲームと、回数に重きが置かれるゲームがあるということです。
例えば勝率:回数が8:2のような比率のゲームであればいくら勝率55%のプレイヤーが回数をこなしても勝率70%越えのプレイヤーのランキングを抜かすのは途方もない作業を要しますしそもそも抜かすことができないかもしれません。
しかしその逆、勝率:回数が2:8のゲームであれば、回数をたくさんこなしているプレイヤーに勝率に自信ニキなプレイヤーがランキング上で勝てることはありません。
ランキング順位を上げるために要求される勝率はゲームによって大きく異なりますが、そのどちらも同じランキングという形で表示されています。
勝率ゲーの賞賛と回数ゲーへの批判
勝率:回数において、勝率に比重が重く置かれているゲームほど“ガチ”と見られ上位プレイヤーが尊敬の対象になりやすく、回数に比重が重く置かれているゲームほど、“回数ゲー”と揶揄されただの暇人とされる傾向にあります。そのゲーム唯一のランキングシステムで競う以上そこに優劣はないはずですが、僕の観測範囲では、どうやらそうではありません。回数ゲーはクソで勝率重視こそ至高だと考える人が多数派であるように思います。
無論、その気持ちは至極自然で理解できるところではあります。実際に回数をこなすことが非常に重要、例えば先の例で回数の比率が7~8を占めるようなゲームの場合には、全国ランキング上位になる最低条件は世間一般的にはまったく誇らしくない“暇人であること”になるからです。どんなにゲームプレイが正確ても、暇人でなければランキングに載ることができません。“暇人であること”と“ゲームがうまくないこと”はイコールではないのですが、「あなた、暇なだけでしょ」というマウントポジションを多くの人が得てしまうことによって、不当な評価をされがちになっています。
もちろん、全国ランキングが高い=勝率が高いわけではないので、その言い分の半分は合っているのですが、人口が多いゲームの1位になる人は勝率も高いことがほとんどです。暇人が1000人揃えば、そのとき最も勝率の高い暇人が1位になるわけですから。
回数ゲーの流行
さて、ここからが僕のいいたいことなのですが、ここ最近の多くの対戦ゲームは、ランキング上で回数が重視されがちです。CoJなんかはわかりやすい例でしょう。
Ver1~の頃はポイントを増やすためにA~Sランクで要求される勝率が70%以上で、勝率を満たしていなければやればやるほどランキングが落ちるゲームでした。これは上位プレイヤーに名誉をもたらす代わりに、プレイにおける自由度の低さ(=ふざけたデッキで全国対戦は気軽にできない)と、プレイをしないという選択肢を提示していました。プレイしないだけで全国ランキングが2~3位上がることが平気であったくらいです。
それとは対照的に、今のランキングシステムで重要となるエメラルド勲章は、増やすために求められる勝率が高くありません。効率良く増やすためにはある程度の勝率とある程度のDOBが求められますが、結局はエメラルドランクを維持しているときにどれほど勲章を稼げるかどうかという点が重要視されるので、エメラルド勲章の獲得効率を収束させるには、膨大なプレイ数が必要になります。そしていまのところ、DOBの絡みなどもあって、多くの人はそれが収束する前に諦めてしまっています。
Ver1~の頃と、今の勲章システムと、どちらが優れているのかという話はするつもりはありません。ただ起こった出来事を解釈するなら、勝率を重視したランキングシステムから、回数を重視したランキングシステムに変わったということは言えるでしょう。
そしてシャドウバースのMPランキングのシステムを見てみても、これも明らかに回数が求められるシステムです。勝率55%のプレイヤーが1000試合プレイすれば、勝率70%のプレイヤーが20試合やったところでまるで意味を成しません。MPを増やす上での要求される勝率は勝率51%以上なので、そういった現象が起こりうるわけですね。
そうなっている理由はおそらく、そのほうがより多くゲームがプレイされるから、です。
回数ゲーの現実
なんで回数ゲーにするかって、ゲームを作る側はそうせざるを得ないからそうしてるんだと僕は思うんです。
グラブルをやっていてもそうだし、シャドウバースをやりはじめてCoJをやらなくなってしまったことからもそう思うんですけど、今、プレイヤーの中であるゲームとあるゲームが競合した時って時間の取り合いなんですよ。いかにプレイヤーの時間をそのゲームに割り当てさせることができるか。ゲームのアプリ化が進む中で、いつでもどこでもどんなゲームでも出来るようになった以上、あとはいかにそのプレイヤーの時間を自分のゲームに使わせるか、という話になっているんですね。
そんなことはとうの昔にもう知っていると皆さんは言うかもしれませんが、それがランキングシステムという本来実力を示すはずだった場所にまで侵食してるんだ、ということを僕は言いたいわけです。ゲーム間の時間の取り合いがランキングの部分にまで影響してるんですよ。
そういう意味で、CoJの“勲章システム”は理に適っているんです。
ニコ生の時に発表した“新ランクシステム”は嘘八百だったのでカサマックスさんよろしくむっくさんには土下座をしてもらいたいところですが、現行のこのシステムはプレイヤーをゲームに縛り付けることはできる。言い方は悪いかもしれないけれど、ゲームをプレイされなければ儲からないし、儲からなかったらそのゲームは終了してしまいます。
勝率重視のランキングシステムが実力を反映しやすいことは百も承知で、回数重視のランキングにする。勝率よりも回数の比重を十分に重くする。天下のCygamesがそうしてるんだからそりゃそれが正しいに決まってるんですよ。そうするのがきっと一番儲かるんです。
僕らゲームに人生をオールインしてきたゲームオタクからすれば悲しいことかもしれないけど、これから多くの対戦ゲームがアプリ化していくことによって、ランキングというシステムそのものがイコール“暇人であることに重点が置かれたランキング”にどんどんなっていくと思う。何故ならそうしないと他のゲームに人が流れてしまうから。ゲームの魅力が100と100のゲームがぶつかったら、人間はより自分が有利に立てるフィールドに立とうとするのは当たり前です。そこで暇人ランキングシステムを実装して、暇人というゲームをたくさんプレイしてくれる層を捕まえない手はないわけです。
今後の希望
ランキングシステムはそうして本来の目的から遠い方向に向かっていくと思われますが、ゲームプレイに自信ニキなオタクにも一つ希望がないわけでもありません。この手のゲームのe-sports化の流れです。
スポーツ化することによって、実力を、スーパープレイを見ていこうという動きがある。まあそれもエンターテイメントありきなので、若干軸は違うかなと言う気もしなくはないですが、ランキングシステムよりはゲームオタクの未来がある部分だと思います。
不安なのはe-sportsという単語自体が持つうさんくささで、例えばe-sportsで検索すると
日本eスポーツ協会と日本eスポーツ学会が出てきて「うわあ利権だ」みたいなことをGoogle検索をちょっとしただけでも感じてしまうところですが、それはまあきっと現役でプロとして取り組んでいるプロゲーマーの方たちがなんとかしてくれることでしょう。僕はプロじゃないのでそういうのはよくわかりません。
あとがき
これ本当にたまたま今日の朝方に書いていて、昼に起きたらキリン☆すまっしゅさんがCoJの全一になったことで話題になってたので驚きました。僕の先見の明は異常。
キリン☆すまっしゅさんの実力について僕から明言することはありませんが、幾分昔のハンデス使いだったキリン☆すまっしゅさんは僕の目から見てもかなりロックでした。しかしここで書いたように、今のランキングシステムそのものがプレイの正確さを要求しているわけではないですから、キリン☆すまっしゅさんがあまりうまくなかったとしても不思議なことではありません。うだうだと文句を言っているのは「近頃の若者は〜」とか言い出す爺である自覚を持つべきでしょう。
何はともあれ昔からやっているプレイヤーが全国一位になるのは老害的には嬉しい限りです。おめでとうございます。
従来の実力至上主義、みたいなのは当然わかりますけど、これから先はおそらく「足切りラインとしての実力+α」というのがオタクゲーマーには求められて、+αの部分で差をつけていくことになるんじゃないかなと思っています。+αっていうのは、Twitterがはちゃめちゃであるとか、見た目がイケメンだとか、本当にめちゃくちゃうまいとか、そういうのね。プレイがうまいだけで評価はされづらいし、そもそもうまいということを客観的に証明できる手段は、今後乏しくなっていくんじゃないでしょうか。
ゲーマーの未来は果たして。
それじゃあまた。