chomoshのブログ

だいたいゲームのこと。

記録:『ヴァンガードZERO』

ちょもすです。

 

今のうちに記録として残しておかないと来年には存在そのものを忘れかねないという危機感を感じたので書きたいと思います。

 

僕が『ヴァンガードZERO』を薦める人

まず言っておくと、『ヴァンガードZERO』は人を選ぶタイトルです。僕が町中の10人に『ヴァンガードZERO』を無理やりやらせたとして、8人には殴打されるタイトルだと思います。

 

従来のDCG的な遊び方を期待している人にはおすすめできません。パックの配布が極めて多いゲームとはいえ、ベースとなる生成システムが激シブだからです。詳細は省きますが、毎日コツコツCPU戦を周回して、一月でようやく最高レアのカードが作れるかどうかといった具合で、理想のデッキを回して遊ぼうとするとかなりの富豪プレイになります。

 

紙の『ヴァンガード』のルールに思い入れがある人にもおすすめできません。デジタル化にあたってルールが簡略化されており、『ヴァンガード』ではあるものの、その実別のゲームだからです。

 

では『ヴァンガードZERO』は一体どういった人に向けられたゲームなのでしょうか。それはずばり原作アニメファンと、ゲームボーイのカードゲームが好きだった人です。

 

カードを集める楽しさ

f:id:chomosh:20191230005506j:plain

僕が思う『ヴァンガードZERO』のテーマは、カードを集める楽しさにあると思います。DCGでは無料でも1デッキ作れて当たり前のような時代になってしまいましたが、昔の紙のカードゲームやゲームボーイ時代のカードゲームをやっていた世代からすると、簡単にカードが手に入ってしまって物足りなく感じることもありました。

 

攻略サイトや強豪のデッキをコピーして遊ぶのももちろん楽しい遊び方です。と同時に、資産がないならないで、ないなりに工夫して遊ぶのも一つの遊び方です。最近のDCGでその遊び方をすることをすることはめっきり減ってしまいましたが、対人でないソーシャルゲームを遊ぶときには僕は未だにこの遊び方をしますし、ごく一般的だとも思います。

 

僕の小中学校の時のカードゲーム体験に思いを馳せるなら、少ないお小遣いで強いカードを手に入れた時の興奮は確かにありました。渋谷のカードショップという得体の知れない空間まで行って《ヤタガラス》を買ったあの日。カードを買いにきてるのに店員に凄く面倒くさそうな対応されたので、その時はじめてカードショップの店員が攻めてくることを知りました。今でも忘れません。

 

『ヴァンガードZERO』は課金によって特定のカードを入手しづらく、コツコツやることでカードを生成できるようにすることで、僕たちが小中学生時代に体験した「強いカードをやっと手に入れた時の体験」を演出したいのだと解釈しました。それを「対人でやるな」という突っ込みは僕も正しいと思いますし、「カード作れない重課金クソゲー」と一蹴するのも簡単ですが、そう断じてしまうのも勿体ないと思います。

 

ランクマッチを遊びの一つと断ずる

f:id:chomosh:20191230004854j:plain

『ヴァンガードZERO』は一人で遊べるモードが充実しています。ゲーム全体でみるとランクマッチの比重が極めて軽く、なんならランクマッチで遊ばなくても別にいいよね、というボリューム感です。『ヴァンガードZERO』におけるランクマッチはあくまで遊びの一つでしかありません。それはプレイヤーレベルを十全に上げないとランクマッチが開放されないところにも表れていると思います。

 

ランクマッチは通信対戦が充実していなかった時代こそ革命的な遊びでしたが、今や使い古された遊びですらあります。言ってしまえばただ対戦するだけだからです。ゲームルールがどう、ということではなく、“いつものランクマッチ”はもうそろそろいいんじゃないか、と僕は常々思っています。

 

ランクマッチ以外の部分で遊びを充実させた点は、『ヴァンガードZERO』を評価できると思います。その遊びが面白いかどうかはこの際置いておきましょう。DCG界隈にいくら新作が出てもマンネリ感があるのは否めなかったところで、こういった新しいアプローチに挑戦したのは素直に関心したところです。

 

原作アニメファンへ

f:id:chomosh:20191230004325p:plain

また、原作アニメファンには素直に嬉しいゲームだと思います。僕も当時ちゃんと見ていたというほどではありませんが、友人に「イメージしろ……」と言っていたクチなので櫂くんの活躍が2019年に見れて素直に嬉しかったです。原作再現度もばっちり。『ヴァンガードZERO』でエゴサーチするとこういった人達が思いのほか多く、ああそれだけ愛されていたアニメだったのだなあ、と思います。

 

とはいえ

とはいえ。

 

f:id:chomosh:20191230003923p:plain

  • 2011年アニメのなんとも言い難い作画のカットイン
  • タップしてから反映されるまでのラグを妙に感じさせる動作
  • やりたい事が何処にあるのかわかりづらいUI
  • すごろくイベント
  • 理不尽な形で強いVery Hardのキャラファイト
  • クイックファイト開放の条件としては難しすぎるキャラファイトのミッション
  • 何を考えて作ったのか理解ができないカード生成のデイリーミッション

 

このあたりはもうちょっとなんとかならなかったのかと正直思います。特にすごろくは殺意が沸いたので気になる人は配信でやったアーカイブを見てみると良いかもしれません。

 


【ヴァンガードZERO】クリスマスです

 

クリスマスに中年の独身男性に大量のサイコロを振らせないでください。ましてやサイコロを得るためにランクマッチさせないでください。辛い気持ちになります。マジで。

 

対人ゲームとしてみたときには、山札の底を順に記憶すると勝率が上がったり、長期的な視点でカードの切り方を考えたり、期待値計算をちゃんとやる必要のあるクソオタクのゲームです。つまり面白いです。雑に遊んでももちろんメンコでゲームになるし、ちゃんとやれば勝率がついてくるのは『ヴァンガード』のいいところだと思います。

 

以上、『ヴァンガードZERO』の総評でした。原作アニメ視聴済だったり、ゲームボーイにあったカードゲームのノスタルジーに浸りたい人だったり、昔『ヴァンガード』を遊んだことがあったり、クソオタクのゲームがやりたい人におすすめです。

 

 

 

それじゃあまた。