chomoshのブログ

だいたいゲームのこと。

VRは時間を貫通する。『SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland』感想

ちょもすです。

 

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Day2を見ました。二日間概ね見てまわった感想を述べます。Day1の感想というかもはやメモは↑からどうぞ。

 

未来への一歩

見ている最中、何度か「あ~こういう未来妄想したな~」と思った。ヴァーチャル空間で自宅にいながらライブを見る。ゲームとかアニメの描写にあったよね。想像してた未来が思ったよりも早く身近に来たんだなあみたいなことを思って、かなりエモーショナルな気持ちになった。この技術が進むんだったら将来寝たきりになっても全然困らんなとか。もう働かなくてもいいか、みたいな。いやすごいことだよ。自宅にいるのに目の前でアイドル踊ってんだもん。これをして「ヴァーチャル最高!!まだ現実に固執してる奴w」みたいにはならんけども、確実に未来を切り開いてる感じがしてとてもよかった。

 

多分5年後10年後にもっと洗練されたものが実現して、その時「昔に比べて今やこんなにも」みたいな感動をするんだろうなとも。その初めの一歩に立ち会えたのはきっとすごく貴重なことで、チケット代を払うのに十二分な価値がありました。関わる全ての人に感謝。

 

AMOKA

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強い。今回僕が良いなと思った演者さん達は「演奏中に目の前の観客を想像できている人達(あるいはそう思い込ませることのできる人達)」だった。

 

このイベントはライブだけど、ぶっちゃければ録音録画の再生だ。ワールドを読み込む時に容量がでかいとちょっと期待感が上がったりする。録音録画なんだけれども、収録した時に目の前の観客が想像できている人達のそれは、録音であることを貫通していた。観客の皆がMCに一喜一憂し、演奏が始まればステージに釘付けになり、近くに寄ってくれれば嬉しくなる。レコーディングされたものである、過去に作られたものであるという事実を壊して、その瞬間の僕たちの元に届いている。ものすごいことだ。VRで距離を貫通するからすげーって話を世間はしてるのに、この人達はその一歩先で時間を貫通している。すごいぜ。AMOKA。

 

大将

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あんたはすごい。魂は細部に宿ってる。3FはAMOKA東雲めぐキズナアイ(敬称略)で天下三分。個人の感想です。

 

CHiCO with HoneyWorks

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めちゃくちゃライブ中の写真取れちゃったけど、何かとセンシティブな気がしたのでやたら長いローディング中に音楽だけガシガシ流れてる時の画にしておきました。僕はなんでこの写真をとったの?

 

この人同じチームにいるんだぜって横にいる知らん人に言いたくなるくらいには「歌が上手え」ってなった。当たり前すぎてもはや失礼なことなのかもしれないけど、最前線走ってるアーティストはやっぱり一線を画している。職人の業。リアルでも見てみたさが募った。

 

運営の気合

VRCの総プレイ時間が5秒とかの初心者なんで素人考えで恐縮だけれど、正直秩序がない無茶苦茶なイベントになる未来はありえたんだと思う。クソアバターで荒らす奴現れたりとか、演出周りでトラブルが起きちゃったりとか、そもそも会場に入れないとか。

 

実際に参加のハードルはかなり高くて、PCにあまり詳しくない、自己解決の手段を持たない人達が環境依存で折れてるのもDiscord上では散見された。それを見てまだまだ一般化には遠いなと思ったけれど、いざ入ってしまえば演奏に集中できる環境だったのは、ひとえに関わった人達の努力の結晶なんだと思います。企業のプライドを感じたし、徹底的に事故が起きないようなセーフな設計を組んだ人がいたんだろうなというのを強く感じた。環境用意してちょっと準備して、それさえできればトラブルに巻き込まれないってのはすげーことだよ。いやマジでさ。僕が色々見てきた経験から本当にそう思います。

 

足りない部分

サンリオ、運営すげーめっちゃ超頑張った。たぶん赤字だろうし、それでも界隈にめっちゃ寄り添ったんだろうし偉すぎるほんまありがとうというのは大前提として、ヴァーチャル上のライブを今後拡張していくうえでいくつか課題が見つかったイベントだとも思う。キーになるのは「一体感」だと思った。

 

環境が要因で同期がズレる関係(PCの時刻設定とか音声デバイスとか回線速度とか諸々)で合いの手が入れづらいというのはDay1で書いた通り。これは相応に一体感を下げる。ノッてもどうしたって変な感じになるからだ。そもそも自宅で出す声のトーンとライブ会場で出す声のトーンが大きく違うということもあり、全体的に声を出すとすげー微妙な感じになるのは実際に体験してみてわかったこと。リアルの会場に環境差はないけれど、ヴァーチャルは露骨に環境の差が出る。据え置きの家庭用ゲーム機よろしくデバイスを統一したとしても回線差や声を出せる環境かどうか等があり、そこはこの先頑張っても埋めるのが難しいと思う。

 

その上でどうやって「一体感」を演出するかということに関しては、「一体感」のある配信が参考になると思う。デカいところだと『RTA in Japan』とか。みんな大好き『モリゲーム』とか。定型文やスタンプの使いどころがはっきりしており、場に干渉できると、視聴者は「一体感」を感じる。声の出しどころがわかっていて大きな声を出したり、飛び跳ねたりするのと原理的には一緒のはず。

 

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結論として昨日話していたのは「参加者全員にブブゼラを持たせるべき」ということだった。過激。でも芯は食ってると思う。演者ごとにブブゼラポイントがあって一斉にそのタイミングで参加者がブブゼラをブオーーーーーって吹く。めちゃくちゃボタン連打しないと鳴らない奴だとなおいい。だからみんな一生懸命ボタン連打してブブゼラ鳴らして精魂尽き果てる。何そのライブ。でも疲れるくらいがきっといい。

 

「一体感」を高めるという点では、「ライブ会場に向かうまでの電車の時間」も必要だと思った。似たような属性の人々ばかりがやたら乗ってる電車の時間は恐らく重要。ああいう一見無駄な時間がこれから始まるイベントの期待感を高めるし、ああこんなにも仲間がいるんだという連帯感を生む。それはライブ開始前にざわざわしてる時間だったり、物販に並んでいる時間だったりもする。

 

ヴァーチャルなライブは実際はヘッドマウントディスプレイを被っているだけなので、例えば演奏と演奏の間に洗濯物を取り込みながらライブを見れる。これは便利なようにも思うけど、無駄な時間を共有することで得られる連帯感や、場に飲まれるような没入感は得られない。ゲームセンターに集まった後の飲み会、喫煙所のコミュニケーション、冠婚葬祭のやたら長い待機時間。これらは一見無駄に見えて実はこれこそが重要だというのがコロナ禍で見えてきたことであり、早めにインスタンスに向かったところで魂の抜けたモチポリ君が大量にいるだけの状態はあまりよくないのかもなーと思った。

 

幕間で喋ったりする人とかがいるといいんでしょうけどね。主張が強めの宣伝動画とかが流れててもいいのかもしれない。一時期のLJL見てた人、もうスポンサーじゃない「出前館」のCMを未だに暗唱できると思うし、その話って見てる人だったら絶対盛り上がれるじゃないですか。そういう演奏と関係ない情報量はもうちょい積極的に増やしていいと思った。

 

 

 

以上。「VFesの感想を書かなければお前の家は燃える」と知り合いのDさんに強く要請されたので頑張って書きました。Vの世界は経験値が赤ちゃんレベルなのでひどく見当違いなこと言ってたらごめんなさい。これをこの世に公開させたDのせいです。

 

それじゃあまた。